うろぼんdiary

クワガタとオサムシを求めて北海道を中心に活動する大学生の備忘録

東北のんびりオサ掘り

最近は、ブログに書くことでポイントがばれたり、マナーの悪い人が現れてしまったり、また規制にも影響があったりなかったりと、めんどくさいことが多かったので、ブログは書いていなかった。あと書く意欲もなかった。ただここ数日やることが限られているのと、消えたはずの写真データが見つかったので書こうと思う。

 

 

 

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2021年3月、大学は春休み真っ只中。特にやることもなく、1年で最も金欠である10月から5ヶ月も過ぎ少し余裕のできてきた僕は東北は宮城県仙台空港に向かった。ただ漠然とオサ掘りが上手くなりたいと思っていた僕は、飛行機とレンタカーだけ抑え、後はなんとかなるでしょうと全然計画を建てていなかった。実際、現地につくまで遠征は7日間だと思っていたが、8日間だった。

 

2020年の春にはサークルの先輩方と佐渡や粟島等でオサ掘りをし、どのようなところにマイマイカブリが越冬するのかは大体は分かったつもりでいた。が、それはサドマイとアオ マイの話であって、本土のことは全然分かっていなかった。まあ2019年には2泊3日で青森にてキタカブリを1匹も出せない始末だったので、初心者に変わりはない。なのに自分は、現地の人に教わるのはおこがましいと思い、ポイントや掘りのコツもよく分からないまま出発した。

 

 

3/10

 

 

出発

 

 


昼過ぎに仙台空港につき早速県南の河川敷に向かうが、航空写真と違い更地になってるところも多く敗北。初日はこんなもんだろうと山形へと向かった。

 

山形には幼馴染みがおり、今回の遠征ではかなりお世話になった。

 

 

 

3/11

 

 

山形は宮城とは違い、この時期でもかなり雪が残っていた。昨晩のうちに行った河川敷にもかなり残っており、雪は避けられないようだった。

 

 

案の定山にも雪は残っており、車がスタックしそうでヒヤヒヤした

 


しかしマイマイカブリ自体は意外とすんなり出てくれた。

 


コアオマイマイカブリ

 

去年新潟で採集したのとは違う紫の混じる青っぽい色でとても興奮したのを覚えている。

 



その後も樹皮の間や倒木の雪に埋まっていない部分などから追加して終了。

午後からは友人も合流し、他のポイントでも採集することができた。

 


この地域では前胸背板の色は青よりも赤紫が多いようだった。

 

 

3/12

この日は友人と福島に行ってみた。昨日は山だったので今日は河川敷を攻めようという魂胆だ。しかし、いざ行ってみると河川工事をしている場所ばかりで、なかなかいい場所を見つけられずに時間だけが過ぎてしまった。

 

 

これはまずいということで、急遽宮城県の河川敷に行くも、コツも掴めずに終わってしまった。

 

 


この日採ったオサムシは福島のキタアオオサムシのみだったので、普段虫取りをしない友人はさぞかし楽しくなかったであろう。

 

 

 

3/13

 

 

この日は大雨だったが早朝に友人宅を出て栃木へ向かう。途中福島で寄り道するもタダクロナガが出るのみ。

 

到着

 

昨日は河川敷で大爆死したので今日は守りの山に向かう。が、別に山が得意というわけでもなく、また雨もひどく萎えそうになる。

 


ミヤママイマイカブリ

なんとか1匹。切り株から出たのみで他にはいい物件もなくここは終了。

 

移動して

 

 

剥がれかけた樹皮と幹の間にたまったフレークから

 

 

 

朽ち木の柔らかい部分と硬い部分の境目から

 

そんなこんなで少ないながらもミヤママイマイを確保することが出来て良かった。しかしいまだにコツを掴んでぽんぽんと採ることは出来ていない。もっと上手くなりたい。

 

 

 

3/14

 

 

どうせ栃木まで来たのならもう少し南下してヒメマイマイカブリも採りたいとなったので、朝から河川敷でいい材を探していく。

 柔らかすぎる材ばっかりだと思っていたが、そんなところからもマイマイカブリは出てきてくれた。

 

 

 


ヒメマイマイカブリ

 

木というよりももはや土というような柔らかい場所や木の低い場所の土溜まりからもたくさん出てきた。

 

 



今までの採集ではあんまり満足できていなかったが、久しぶりに素直に喜べた。ヒメマイの前胸の色も北海道に住んでいてはなかなか目にすることの無い綺麗な水色で、ちょっと関東の人が羨ましくなった。ちょっとね。

 

 ヒメは満足したので、午後からはもう少し上流のミヤママイマイの分布域であろう場所まで戻った。しかしなかなかいい場所見つけることができず、1匹だけしか見つけることはできなかった。

 

 

 


この1匹もぼろぼろで前足の跗節も両方無く、ミヤマかヒメかの判別は出来なかった。

場所を変えると、そこではアキタクロナガオサムシがぽんぽんと出てきた。

 

 

 

 

 




こんなにクロナガと違うのに誰が間違うんだろうと思っていたが、まさかそれが自分だとは思ってもみなかった。湿った材からも多く出てきた。落ち着いた紫がかっこいいオサムシだ。

 

 


 結局ミヤママイマイの追加は無いまま日暮れでタイムアップ。これにて栃木を後にした。

 

 

 

3/15

 

 

 昨晩は山形までの帰りの高速で、ばかでかいベニヤ板を踏んでしまったり、車中泊の疲れだったりで、友人宅に着くなりすぐ寝てしまった。今日は山形の県北を攻めようと早朝に出陣したにも関わらず、迫りくる眠気に負けコンビニの駐車場へと撤退してしまう。結果3時間寝てしまい、見事通勤ラッシュとかぶり更にタイムロスしてしまった。ようやく目星をつけていたポイントに着いたかと思えば、見渡す限り雪、雪、雪。

 

 

 何ヵ所か周るもどこも同じような光景で、あわよくば秋田もなんて考えていたがそれは夢のまた夢だった。遠征2日目の山形県南での採集にて、雪があっても埋まっていない部分からは採れるということは分かってはいたが、積雪がありすぎてそれどころではなかった。仕方なく宮城に向かって車を走らせる。

 

 


河川敷に到着。

 雪もなく快適だ。やる気が出てきて良さそうな材を探していると、緑色の鞘翅が出てきた。

 


キタマイマイカブリ(?)

 僕が初めて道外遠征をしたときの理由のひとつでもあるキタマイマイカブリだ。1年越しの出会いにめちゃくちゃ興奮した。その後もわりとどんな材からでも出てきてくれた。

 

 

 

 

 


 少し上流に移動し掘りを続ける。どうやらここの辺りにはキタカミミナミマイマイと呼ばれている、キタカブリとヒメマイマイの交雑個体がいるらしい。先ほどの場所も混ざっているか怪しい場所だったので(?)をつけさせてもらった。移入により交雑してしまっているので、負の遺産である。どうせならキタカミミナミも自分の目で確かめてみたいと思っていたものの、どの場所にいるのかが分からなかった。なので川を少しずつ遡っていき、見つけようと思っていた。だが実際はなにも採れない時間が続き、夕方になってしまった。素直に聞けば良かったと後悔しはじめたときに1匹のオサムシが採れた。

 


 どうやらこれがキタカミミナミマイマイのようだ。緑の前胸に黒の鞘翅はエゾマイのようで、キタカブリ要素は全然無い。綺麗なはずだったマイマイカブリが、このように汚染されていて悲しい気持ちになった。追加を探すも、この辺りではこの1匹だけしか見つけられなかった。採れないということは増えていないということで喜ばしいことだろう。

 

 

 

 

3/16

 

 

昨日はそのまま河川敷で寝たので今日も少しずつ遡っていく。この辺りはいい物件が多かったからか、何匹か出てきた。

 


青い個体や

 

 

どの亜種にもいないような水色の個体もいた。

 


今後このような交雑が他の地域で起こらないことを願うばかりだ。

 

 

 

 


アカガネオサムシ

 

北海道に生息しているエゾアカガネオサムシは、乾燥している場所から湿った場所まで幅広い環境で採集されるが、本州のアカガネオサムシは場所を選ぶようだ。ただ、北海道のエゾアカガネは少し緑色を帯びており、別の亜種であることを感じた。

 

 

 


少し上流にいくとキタカブリチックなのが出始めたので、河川敷を後にし山の方へ向かった。

 

 

 

 

 

山では、これはいるだろというような材からは出てくれるが、そのような材がなかなか見つからなかった。もっと経験があればいる材の基準も広がるのだろう。

 

 


ごめんね

 


岩手ラベル

 


😢

 

が、効率が悪い。

 

また、どこも道が酷く、行きたい場所まで行けないことも多かった。なので最後に河川敷に行って暗い中探すもなにも採れず。

 


なにか美味しいものを食べた気もしたが、これしか写真が残っていなかったので分からなかった。

 

 

 

 

 

3/17

 

 

昨日から岩手県で採集をしていたが、今日は最終日なので宮城の仙台まで帰らなければいけない。しかし昨日の夕方に行った河川敷に未練があったのでもう一度行くことにした。視点を変えてみて、高いところまで登ってみると、昨日までが嘘かのようにぽろぽろと出てきた。

 

 


よくこんなところまで登るんだなと感心しながらも、その後はコツを掴み追加していった。

 

 

 

土盛りからはクロナガオサムシも出てきた。

 

 

 

時間的にももうそろ帰るかという時、良さそうな材が視界の端を流れていったので急遽車を止めてその木へと向かった。

 

 

 その木は立ち枯れでだいぶ菌糸がまわっているようだったが、皮との間にはフレークがつまっていた。そっとそのフレークをどかしてみると、

 

 


いる!!たくさんいる!!

 


ようやくキタマイマイクブリの集団越冬を当てることができた。

 

 


中には菌糸に巻かれながらも動いている個体もいて、越冬の過酷さが感じられた。

 

 

ポイントもよくわからないなか段々とコツを掴んでいき、そして最後に集団越冬まで見つけれたという最高のプロセスを歩んだので、このときばかりは叫んでしまった。

 

最後は宮城に戻りコアオを狙ったりしてみるも大きい河川は工事で更地ばかりになっており、タイムアップとなった。

 

 

 

 

 

 

 

この遠征は、今振り返ってもなかなか楽しかった遠征だと思うし、いきあたりばったりだけどそれがまた良かったと思う。変なプライドでポイントや掘り方を教わらずに始まったこの遠征では、時間はかかったもののオサ掘りのコツというのを失敗を繰り返しながらも学ぶことができて良かった。しかし更に回数を重ねた今ならもう少しやりようがあったのではないかと思うことは多々あるが、それも成長した証なのだろう。また、途中コクロナガや他のオサムシを狙ってみたりもしたが、かすりもしなかった。種によって癖もまったく違うとは思っていたが、1匹ぐらいは採れるだろうも思っていた自分は甘かった。いつか他の人から掘り方を教わる機会があれば大切にしたいと感じた。またいつか時間があれば東北、そして今回行けなかった秋田へも採集に行きたい。というかマークも採れていないので行く。